問題は、そこから先です。株式市場の暴落が一段落してくると、経営力が強い企業の株価はどこかで下落が止まり、上昇に転じます。一方、経営力の弱い企業などの株価は、ずっと低迷したままです。

 ところが、インデックスファンドはすべての企業の株価を反映させた値動きとなります。それで、弱い企業の株価低迷にずっと足をひっぱられることになるのです。

 金融マーケットが暴落して最初の数年は、経営がうまくいかずにつぶれていく会社に引きずられ、インデックスファンドの価格もズルズルと下がっていきます。

 ダメな企業がすっかり淘汰されたら、残りは元気に成長する企業ばかりなので、ここからインデックスファンドの価格も上がり始めます。ようやく復活のときがくるのです。

 いったん価格が下がってから、上昇に転じるまで10年くらいはかかると思ったほうがよいでしょう。まさに暗く、長い冬の時代です。

 インデックスファンドに投資している人は日本でも多いと思いますが、これからの長期低迷の時代にどれだけ耐えられるでしょうか。

 たとえば最初は2万円だった基準価額が1万8000円になり、1万5000円になり、ついには1万円になり、といった具合でずるずると下がっていきます。それに合わせて皆さんの持っているインデックスファンドの評価額も下がっていくわけです。

 もっとも、長期の価格低迷に負けず、コツコツと積み立て投資を続けたら、10年後には、長いこと苦しんだだけの成果が出ていると思います。インデックスファンドに投資をするのなら、その覚悟が必要だというのを覚えておいてほしいのです。