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銘柄を選ぶことは危険?

 新NISAでは購入できないものも含めると、今、日本には約6000本もの投資信託があります。ですが、そのほとんどがまともな運用にはなっていません。流行遅れの洋服と同じで、セールの札がついた目立たない棚に山積みにされて、埃をかぶっている。そんなイメージです。

 とはいえ流行遅れの服とは違って、投資信託の場合、簡単に処分できないのがつらいところです。「この投資信託は人気がなくて買う人もいないし、基準価額も下がっているから儲からない」といっても、ポイッと捨てられない。

 投資信託は金融商品ですから、さまざまな法律で規制されているのです。そんなわけで残骸のような投資信託が数千本もあるというわけです。

「新NISAが始まって、投資信託を買おうと思ったけど、どれにしていいかわからないから、売り上げ人気ランキングからよさそうなものを選んだ」。こういう買い方をしている人がいるかもしれません。

 長期投資は10年、20年と積み立てていくもので、長いおつきあいになります。今、人気ランキングの上位でも、2、3年後にはランク外になっているかもしれない。そういうものに、大切なお金を投じるのは、賢い方法ではないのです。

 種類が多すぎる投資信託は選べない。それならインデックスファンドがいいだろうと考える人は、今、とても多いです。

 インデックスファンドが人気な理由はいくつかあります。まず手数料が少ないというのがポイントです。投資信託を売買したり保有するとき、大きく次の3つの費用がかかります。

(1)購入時手数料
(2)信託報酬
(3)信託財産留保額

(1)の購入時手数料というのは、投資信託を買うときに販売会社(証券会社や銀行)に支払うお金です。インデックスファンドは購入時の手数料がかからない「ノーロード」がたくさん出ていて、確かにおトクです。

(2)の信託報酬というのは、投資信託を運用・管理する運用会社等に支払う手数料です。インデックスファンドは、インデックス(平均株価)に連動するようにコンピュータで運用を行うので、人の手で運用を行うアクティブファンドと比べて、信託報酬が安いです。

(3)の信託財産留保額というのは、投資信託を解約するときに支払うもので、残る投資家に対する迷惑料として純資産額に残していくことになります。これも無料のインデックスファンドが多いです。

 つまりインデックスファンドは(1)、(2)、(3)とも、すべて安かったり無料だったりするので、手数料が気になる人にとっては、とても魅力的なのです。