「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

病気に関わる記録がないのも納得! 織田信長が実践した「驚きの日常運動」とは?Photo: Adobe Stock

病気に関わる記録がない
織田信長の日常運動とは?

織田信長が少々の怠慢やミスさえ許せなかった理由の1つに、信長が病気になることもなく頑強で、またたいへん勤勉でもあったため、弱い人の気持ちや過ちが理解できなかったことがあるのではないかと想像します。

戦国武将の病気の記録はたくさん残っているのに、これだけ有名な信長の病気に関わる記録はありません。

信長は、天下統一を目指す拠点とした岐阜城と、ふもとの住居との間を1時間半かけて日常的に往復し、さらに現在の10階建てビルに相当する安土城の階段も日々上り下りしていました。

フィジカルが強くて
勤勉でなのはいいけれど……

このような日ごろの鍛錬もあってか、病気にならないほど頑強なフィジカルの持ち主だったのです。

また、朝も明けがたには起き、『信長公記』を読んでいると、常に働いているくらいに勤勉でもありました。

現代でも、頑強で、勤勉な経営者や管理職ほど、当然の権利であるにもかかわらず、部下が休暇や休憩をとったりすることを快く思えなかったりする面があります。

部下の息抜きを快く思わない
上司が率いる組織は……

私がコンサルティングで携わった経営者や管理職にも、病気で休みをとることさえ怠けていると捉えてしまい、自分が休みをとらないことを誇りであるかのように振る舞う人が少なからずいました。

部下が休むと、「なんで休むんだ」と、いまならコンプライアンスに抵触するような指摘をするケースもありました。そういう上司が組織を支配していると、病気になっても有給休暇がとりにくい状況が生じてしまいます。

そんな会社が、世の中に価値ある商品やサービスを継続的に提供することができるのでしょうか。長い目で見れば、やはりそんなことはないでしょう。

※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。