難関中学に入った子どもたちの父親は、総じて高学歴な人物が多いというデータがある。点数一発勝負の中学受験では、「地頭のいい子」が有利となるのだ。もし親子ともに平凡であるなら、努力が物を言う「内申点」が力を発揮する高校受験を選ぶべきなのだ。本稿は、じゅそうけん『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)の一部を抜粋・編集したものです。
中学受験に成功するのは
「父親が高学歴」な子が多い
私は受験に関する様々なデータを収集したり分析したりしていますが、その結果「中学受験は才能ゲーだな」と感じたことがあります。
以前私はX(旧Twitter)で、「学歴家系図集め」という企画を実施しており、約1500名の方々から自身と知りうる限りの親族の学歴データをいただきました。
その企画の一環で、日本最難関中学である灘・筑駒・桜蔭・開成の4校の父親の学歴をまとめてみたことがあります。合計で43名の協力者を得られたのですが、結果は図5の通りでした。
なんと日本最難関中学4校出身者の父親は、約半数が東京一工医を出ており、旧帝、早慶も含めると8割以上を占めていたのです。
中学受験大手塾では、6年生のクラスになると医者・弁護士・大学教授の子供ばかりになってくると聞きますが、この結果を見ると間違っていない気がします。
平凡な子どもが
高校受験で勝つ方法
中学受験は高校受験と違い、内申点の加算がない試験一発型の勝負になります。小学6年生という早い段階での試験ということもあり、コツコツ努力できる学生というよりは、もともと勉強することに向いている、「地頭のいい」子供たちの勝負になっている側面があります。
そういった天才型の子供たちに、凡人の子供が挑む場合、過酷な勝負となることは想像しやすいです。親子ともに知的能力が平凡で、かつとりわけ早熟でもないという場合は、高校受験で十分だというのが私の持論です。
早熟な秀才たちに交じって貴重な子供時代を疲弊して過ごすより、子供は子供らしく外で遊ぶなど、多様な経験をさせた方が健全でしょう。
また高校受験になると、中学時代の内申点も加味されます。天才でなくてもコツコツ勉強する、学校で友人と協調し真面目に過ごす、といった学校生活を送ってきた人が評価される仕組みになっています。