内申点はある意味、「凡人」でも上位高校に進学することができる、救済措置になっていると言えるでしょう。

公立中学での経験は
将来的に活きてくる

 私自身は公立中学出身で、公立中学出身の経験が今に生きていると感じることがあります。

 また公立中出身でその後難関大に進まれた方に話を聞くと、「中高一貫校に行っておけばよかった」というような後悔は聞かず、「地元の公立中に行ってよかった」「あの時の経験が今に生きている」と聞くことが多いです。

 巷で言われがちな、公立中学校に進むと不幸になるので中学受験をした方がいい、という言説は正しいのでしょうか?

 そもそもなぜ教育熱心な親御さんから公立中学校が敬遠されがちかというと、公立中学校には学力レベルが高くない生徒、不良やヤンチャな生徒が多数いて、学級崩壊していたり、不良度で学校内のヒエラルキーが定まっていたりと、勉強をしたい人には向いていない環境であるというイメージがあるようです。

 これは多少は正しい側面もあるのかもしれませんが、多くは週刊誌などのメディアに誇張された表現であると感じます。

 というのも、私が通っていた公立中学校で、不良が多すぎて学級崩壊などということはありませんでしたし、公立中出身者に話を聞いても、不良っぽい学生はいてもごく少数か、全くいなかったと聞くからです。

 メディアが誇張しがちな「荒れた公立中学校」像は、ごく一部の治安が悪いエリアの、ごく一部の学年を大きく取りあげたりしている結果でしょう。

 ただ学級崩壊像こそ誇張とはいえ、公立中学校時代に多様な同級生がいたことは事実だと思います。中学を出てそのまま働く人もいましたし、地元の高校から専門学校を出て地元で就職するような人もいましたし、難関大に受かって首都圏に移住してそのままエリートサラリーマンになった人もいます。

 高校以降はある程度の進学校と言われている高校に入ったので、「いい大学を出て、いい企業に入ろう」という画一的な価値観を持った知り合いが多くできましたが、中学時代はそんなことはありませんでした。