漫画でもアニメでも大人気の『ONE PIECE』は、海賊王になることを夢見る少年モンキー・D・ルフィが仲間と冒険を続ける物語です。実はこのストーリーには、「作業効率化に有用な教えが隠れている」と米国のコンサルティングファーム出身で、現在はグループ年商180億円の医療関連会社経営に携わる筆者が指摘します。(エグゼクティブコーチ/ハイパフォーマンス 代表取締役 名郷根 修)
「海賊王におれはなる!」「俺は天下の大将軍になる男だ」
ルフィと信の宣言には大きな意味があった
私は今でこそ、自分の事業において成果を出しながら、自由な時間を持てるようになっていますが、そうなる前は、毎朝早くから夜遅くまで仕事をして、平日は家族と過ごす時間がほとんどありませんでした。週末も残業をする日々が続いた結果、心身ともに疲弊して、休日はうつ状態で寝室に引きこもるようになってしまいました。
ベッドに横たわってスマホで読んでいたのが、漫画の『ONE PIECE』や『キングダム』でした。主人公とその仲間が、個性や能力を発揮して活躍する姿を見て、「自分もいつか、こんな仲間たちと巡り合いたいとうらやましく思っていたものです。
その時には気づきませんでしたが、今になって振り返ってみると、この2つの作品のストーリーには、仕事で効率的に物事を進めていくための重要な教えが含まれていました。
『ONE PIECE』では主人公のルフィが「海賊王におれはなる!」と何度も言い、『キングダム』では主人公の信が「俺は天下の大将軍になる男だ」と物語の冒頭から宣言しています。そして2人とも、この大きなビジョンに向かって挑戦を続けています。
また、2人ともビジョンに1人で挑戦するのではなく、仲間とチーム単位で取り組み、メンバーの個性や能力を活かしていくことで、1人では決して成し遂げることが出来ない大きな成果を出しています。もし、ルフィが1人で冒険を続けていたら、海賊王にはとうてい近づけないことでしょう。
ルフィも信も、物語の当初にビジョンを宣言し、それを実現するために、自分に共感してくれる仲間を見つけ出しています。ただし、ルフィや信が一緒に旅をする仲間は、誰でもよかったわけではないのです。