黙ってもらいたいときに有効な最終手段的裏ワザ

「お客様は神様!」と主張する高齢クレーマーを一瞬で黙らせるウラ技医学博士・平松類氏の著書『「老害の人」にならないコツ』(アスコム)

 では、客は絶対という姿勢を示し、年長者への敬意を強要してくるタイプの高齢者には、どのように対峙(たいじ)すればいいでしょうか。

 基本的に、否定をしてはいけません。

 自分たちとは価値観が違うとか、あなたのほうが間違っているとか、そういう主張を述べるのはやめましょう。よけいに波風を立てることになり、「だから若者はなっていない」となりかねません。両者の間に存在する壁は厚くなるばかりです。

 こちらから説明したり、説得したりしてわかってもらうのは難しいので、うまくなだめて、上手にいなして、やりすごすしかありません。

 それを理解したうえで、荒療治的におすすめしたいのは、決定権のある人、上の立場にいる人、大柄な人などを味方につける作戦です。

 このタイプの高齢者は、弱い立場にいる人には強気になり、力を持っている人の前ではおとなしくなる、 という特徴があります。あと不思議なことに、体の大きな人の前でも静かになりやすい傾向にあります。

 スーパーやファミレスで一般の店員さんを相手にガミガミと文句を言っていたのに、ガタイのいい店長さんが出てきたら急にトーンダウンする――これが典型例といえるでしょう。

 受付の事務員さんの指示は聞かないのに、同じことを医師に言われると素直に従うというケースも、私の身近ではよく見かけます。ある種の“病院あるある”です。いつも都合のいいシチュエーションが訪れるわけではなく、タイミングを合わせるのも難しいかもしれませんが、可能な限り“強い味方”についてもらうようにしましょう。

「お客様は神様」を実際に口にするような高齢者に対しては、これが最も効果的な方法になります。