《私たちは、自分を環境の産物だと信じているかぎり、環境によって打ちのめされる運命にあります。しかし、「自分は創造のパワーそのものであり、環境を育むための土壌と種(心と思い)を自由に管理できる」ということを認識したときから、自分自身の賢い主人として生きられるようになります。(23頁)》
《環境は人間を創りません。私たちの環境は、私たち自身のことを外側に漏らすのみです。気高い思いばかりをめぐらしている人が、邪悪な道に落ち、苦悩する、などということはけっして起こりません。同様に、邪悪な思いばかりをめぐらしている人が、気高い目標を達成して真の幸せを感じる、などということも絶対に起こりません。(26頁)》
《私たちは、自分の環境を直接はコントロールできないかもしれません。でも、自分の思いは完璧にコントロールできます。よって、私たちは間接的に、しかし明らかに、自分の環境をコントロールすることができます。(40頁)》
《気高い理想を掲げ、そのビジョンを見つづけている人間は、いつの日にか、それを現実のものにします。(71頁)》

 ううむ、これまたビックリである。

 普通、人は「夢」と「現実」は別モノであると考えている。自分にはこれこれ、こういう夢がある。しかし、それが実現するかどうかはまったく分からない。実現するかもしれないし、実現しないかもしれない。なぜなら夢を実現するのは誰にとっても難しいことだから。

ジェームズ・アレンを読んだことで
自己啓発本にハマってしまった

 しかし、ジェームズ・アレンは「そうではない」と言っているのだ。アレンがこの本1巻を通じて言わんとしているのは、夢と現実はイコールであるということ。夢が「原因」となり、それは必ず「結果」となって目の前に現れる。ゆえに、夢を実現すること自体は実は非常に簡単なことで、ただその夢を見続けるだけでいい。そうすれば、あなたは夢を実現させ、望んだ通りの環境を手に入れるであろう──アレンが繰り返し説いているのはそういうことだ。