同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は著者の特別寄稿から、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

「稼ぐ人」が「貧す人」へまっさかさまに転落する危険な思考・ワースト2Photo: Adobe Stock

「稼ぐ人」でも陥りやすい2つの危険な罠

 本書では、「貧す人が稼ぐ人に変わる『売れる法則85』」を紹介している。

 今回は、「稼ぐ人」でも陥りやすい落とし穴について触れたい。

「稼ぐ人」でも陥りやすいのが、【法則32】「顧客に刺さる目線の法則」と、【法則39】「自分の言葉で伝えるのはNGの法則」かもしれない。

<法則32>「顧客に刺さる目線の法則
【貧す人】自分言いたいことを言おう
【稼ぐ人】顧客知りたいことを言おう

<法則39>「自分の言葉で伝えるのはNGの法則
【貧す人】しっかり伝えるために、自分の言葉で伝えよう
【稼ぐ人】しっかり伝えるために、顧客の言葉で伝えよう

これは普段、意識していても、ふと気がつくと目線が逆になってしまいがちだ。

広告の文章はYouメッセージ(=顧客目線)で書かなければならないと肝に銘じている著者たちでさえも、ときどき「このメッセージはMeメッセージ(=自分目線)が強いですね」「こういうことを顧客は考えているだろうか?」というように、互いの文章をチェックし合うことがある。

「稼ぐ人」が自信を持ってきたときが要注意だ。

自分は顧客のことも、商品のことも、市場のこともよくわかっているという思い込みが出てくると、知らぬ間に目線が自分目線になってしまう。

注意しないといけないのは、顧客と市場は常に動くという点。

顧客については、【法則18】「感謝されながら売れる購買タイミングの法則」で触れた、内部環境の変化と外部環境の変化で動く。動くというより、「移ろう」と言ったほうがいいかもしれない。

市場の変化に代表されるのは、【法則02】「成長カーブの法則」のように、市場の成熟度合が変化することで、売れにくくなる。

「稼ぐ人」が「貧す人」へまっさかさまに転落する危険な思考・ワースト2

「稼ぐ人」が「稼ぎ続ける」秘訣

だから、貧す人が稼ぐ人に変わり、安定基調になったからといって継続できるわけではないという点を肝に銘じよう。
常に顧客と市場を理解することを怠らないようにすべきだ。

我々も2020年以降のコロナ禍に1億円の売上があったビジネスモデルが、コロナの収束とともに機能しなくなった。

そういう状況になると、「そんなはずはない」と考えたくなるが、そう考えているとすぐに「貧す人」に転落する。

アルベルト・アインシュタインが言ったとされる「同じことをして違う結果を期待するのは狂気の沙汰だ」という格言(正確な出所不明)を思い出してみよう。

コピーライティングの原理原則は不変・普遍だが、「戦術」部分は時代や環境によって変化する。

今までのやり方で結果が伴わなくなったら、顧客か市場のどちらか、あるいは両方が、それまでと変化していると考え、もう一度顧客と市場をよく理解する原点に立ち戻るようにしよう。

それが「稼ぐ人」が「稼ぎ続ける」秘訣なのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の著者による特別寄稿です)