同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は著者の特別寄稿から、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
ビジネスの加速的成功を実現する仕組みとは?
本書では、ビジネスの加速的成功を実現する「マーケティング・ピラミッド」を紹介している。
これは、25年以上、私がトップマーケッターとして、数万人の顧客や経営者とのコンサルティングから見出した理論を体系化したものだ(下図)。
言葉は頭の中のアイデアが形となって現れたもの。
だから最初にフォーカスすべきは、表面的な「伝え方」の部分ではなく、「何を言うのか?」の部分である。
伝説的コピーライターが語っていること
アメリカの伝説的コピーライターの2人が、今から100年近く前に次の言葉を残している。
「何を言うかはどう言うかより断然重要」
(『ザ・コピーライティング』著者、ジョン・ケープルズ)
「コピーライターの多くが、効果があったレターの言い回しをマネれば、そのレターも効果があるはずだと勘違いしている。大間違いだ。言い回しは重要ではない。効果があったレターを裏付けているアイデアにどう手を入れるかが重要なのだ。」
(『伝説のコピーライティング実践バイブル』著者、ロバート・コリアー)
ここでいうアイデアとは「ビジネスモデル」と捉えるといいだろう。
当時から一貫して、表現が問題なのではなく、アイデア=何を言うか=ビジネスモデルのほうが重要とされてきたわけだ。
ところが、ビジネス現場では、
「この表現をこう変えたら、こんなに成約率が上がった」
「チラシの色を白からピンクにしたら問合せ数が急増した」
とテクニック面に関心がいくことが多い。
そのせいもあり、書店では、コピーライターによるテクニック面にフォーカスした本が多い。
たしかに、テクニックも重要だ。
申込ボタンの文言を変えたり、ボタンの色を変えたりすると反応が変わることは頻繁にある。
これらは「マイクロコピー」と呼ばれる領域で、その効果は大きなものがある。
だが、勘違いしてはいけないのは、マイクロコピーは「稼ぐ人」がより稼ぐために使うテクニックであって、貧す人が「そこだけ」マネてもなかなか効果は期待できないということ。
「貧す人」と「稼ぐ人」を分けるターニングポイント
だからこそ、土台となる「ビジネスモデルを築くステージ」(本書のステージ1)が必要なのだ。
小さな土台に大きなものを乗せようとしても、ずっと不安定である。
ただ、大きな土台があっても、上(=伝わるメッセージの部分)がなければ、ビジネスとして成立しない。
どちらも必要なのだが、どちらが先かというと、土台となるビジネスモデル=何を言うかが大事ということなのだ。
「マーケティング・ピラミッド」の一番上にある「強力なリーダーシップを現すステージ」はビジネスを拡大させるために必要なステージだ。
だから、土台であるビジネスモデル(ステージ1)があって、2階部分のメッセージ(ステージ2)があれば売れるようにはなるが、そこからスケールしようと思ったときに、どうしてもリーダーシップ(ステージ3)が必要になるのだ。
「貧す人」はいつまで経ってもステージ2だけ学ぼうとする。
すると、ある日突然、副作用に襲われ、長く活躍できない。
一方、「稼ぐ人」はステージ1、2、3とバランスよく学び、自社だけでなく、顧客や社会から愛され、長く活躍し続ける。
これが、「貧す人」と「稼ぐ人」の大きな分岐点となる。
本書は初心者から上級者まで使える本となっている。
本書で言う「一語の違い」とは、「登録する」を「もっと学ぶ」という文言に変えたら登録率が上がるというテクニック的な違いにフォーカスしているのではない。
売れるための本質的な部分について、天国と地獄に分かれるたった一語の違いにフォーカスしている。
だからこそ、極めて普遍的な成果を上げ続けることができるのだ。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の著者による特別寄稿です)