金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。忙しく暮らしていると、気が付けば「紙」が、たまっていませんか?「紙」はとりあえず取っておくと、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。実は、人生により大きな影響を与えるのは「モノ」よりも「紙」の片づけなのです。「紙」に特化した片づけ方法を紹介し話題を呼んでいる、片づけアドバイザー・石阪京子先生の著書「人生が変わる 紙片づけ!」から、「紙片づけ」の極意を抜粋して、ご紹介します。

【夏休みにスッキリ! 紙片づけ!】誰もが持っているのに、意外に使いこなしていない!「紙片づけ」に必須のツールとは?Photo: Adobe Stock

スマホを使いこなすと、紙を減らせて、暮らしがラク&おトクに

紙を片づけるための、頼りになるツール。それは「スマホ」です。

私の紙片づけメソッドでは、入ってきた紙は

①すぐに捨てる②確認して捨てる③データ化して捨てる④ファイリングする に分類します。この③の「データ化」に役立つのが、スマホなのです。本書では、グーグルキープやエバーノートを使ってデータ化する方法や、データ化に便利なスマホのアプリなどを紹介しています。

私も、今ではスマホでスケジュールを管理していますが、昔は手帳を使っていました。
そんなある日、手帳を忘れました。片づけレッスンの帰りに気がついて、もう最悪。その手帳には、翌日に伺うお宅の住所や、寸法なども全部書いてあったので、また1時間半かけてレッスン先のお宅に戻りました。もし、どこかに落としていたら、個人情報も書かれているので大変なことになるし、「ない!」となった時は本当に焦りました。

そんな私も、今はデータ化を進めたおかげで、うっかりミスを防げているし、暮らしが劇的にラクになっています。

データ化のメリットはたくさんあります。

①情報を持ち運べる
②情報を共有できる
③セキュリティレベルが高い
④紙が減る分、スペースを広く使える
⑤目当ての情報をパッと検索できる
⑥大事なことを忘れない
⑦お金の流れなどを確認しやすい
⑧金銭的にお得なことが多い

以前、こんなことがありました。
娘が体調を崩して病院へ行った時のことです。診察の結果、手術をすることになったのです。その時は8月でしたが、手術できるのは12月になるそう。そこで12月の予定がわかったら連絡をくださいと、先生から言われました。けれども大きい病院で先生に電話をつないでスケジュールを決めるのって、めちゃくちゃ大変ですよね。
でも、その時私は、娘の学校の年間スケジュールをデータ化してスマホに入れていたので、それを見ながら「先生、12月のいついつだったらテストもないから、ここの週で入院できます」と、その場で手術日を決めることができました。

特にスケジュールに関する情報は、持ち運んでいると便利です。いつどこで必要になるかわからないから、備えておくと、無駄な時間や手間がかかりません。また、学校の献立表などもデータ化しておくと、「今日は給食が唐揚げだったから、晩御飯は魚にしよう」など、日々の生活にも役立てられますね。

セキュリティレベルが高いから大事な情報を守れる

セキュリティレベルが高いのもデータ化のいいところです。
昔の私が、「手帳をなくしたかも」と焦ったように、紙の手帳というのは、落としたら最後。情報を失ってしまうだけではなく、そこに載っている、漏らしたらいけない大事なことまで流出させてしまいます。

でも、データ化して、クラウドに保存して、スマホで見るようにしておけば、たとえスマホを落としてもロックをかけておけば他人に見られる心配はありません。また、ログインさえできれば、スマホではなくiPadやパソコンからも見られるので、情報を失うこともありません。

データ化すると、情報が漏洩しそうで心配という方が多いのですが、実際は、モノを落とすリスクのほうが高いのではないでしょうか。
セキュリティさえしっかりすればデータ化のほうが大事な情報は守りやすくなります。

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。