伝統のロングホイールベースとロングボンネット、フロントが短くリアが長めのオーバーハング、力強く張り出した前後ホイールアーチがこれほど絵になるのは、クーペなればこそ。2ピースデザインのスリムなリアコンビランプに象徴されるように各部はクーペにふさわしくデザインされている。

 ラインアップは2L直4直噴ターボ(204ps)を搭載したCLE200クーペ・スポーツのモノグレードで、内外装にはAMGラインを標準装備し、価格は850万円となる。

 あえてクーペを選ぶユーザーのために、室内はスペシャル感の演出が施されている。大きなドアは日本の商業施設のような狭い駐車場では不便に感じる場合もあるだろう。だが標準装備されるオシャレな専用スポーツシートを目にするや、クーペに乗る特別感に浸ることができる。着座するとシートベルトフィーダーが自動的にせり出してくるの機構は、クーペならではの装備だ。ドライバーズシートにリラクゼーション機能が付くのもうれしい。

優雅で機能充実のインテリアの持ち主
快適で大人を虜にする走りが味わえる

 後席には2人掛けのフルサイズのシートが備わり、アクセスする際に便利なイージーエントリー機能が付く。前席肩口にあるレザーストラップを引くと自動的に前席がスライドしてくれる。

 ホイールベースが長いので、後席に乗り込んでしまえば成人男性でもそれほど苦にならない。ヘッドレストも大人が座るシーンを想定したしっかりとしたものが用意されている。ただし、リアウィンドウは開閉しない。メルセデスのクーペはサイドウィンドウを下ろすとBピラーがなくなるのが伝統だった。この点は少々寂しい。

 縦のラインを配した新感覚のインパネはオシャレなクーペによく似合う。タブレット状の大画面ディスプレイが眼前と中央に配されているのは、すでに見慣れた光景ながらやはり先進感がある。

 新型セダンやワゴンに採用された運転席から助手席までを覆うMBUXスーパースクリーンの設定がないのは、クーペには似合わないと判断されたのだろうか。