別の研究でも、中国で行われたお茶と脳卒中との関連を調べたもので、毎日1~2杯、緑茶かウーロン茶を飲んでいた人の脳卒中リスクが最も低かったという論文も存在します(※3)。

 さまざまな飲み物の中でも緑茶とウーロン茶の健康効果は際立っています。しかも、日本人の生活習慣になじんでいるのは非常に幸運と言わざるを得ません。

水よりお茶のほうが体にいい?

 また、「お茶の種類に関係なく、飲めば飲むほど糖尿病のリスクは下がるだろう」という論文(※4)もあり、雑に言ってしまえば水よりお茶を飲む習慣をつけたほうが体にもよさそうです。

 ちなみに水に関して言えば、「水素水」という商品が話題になることがありますが、現時点では健康によいというエビデンスは皆無です。

 今後効果が証明される可能性はゼロではありませんが、高額なお金をかけて水素水を定期購入するより、毎日お茶を飲んだほうがはるかに期待できるでしょう。

【出典】
※1
Fen Yuan,et al. Effects of green tea on lipid metabolism in overweight or obese people: A meta analysis of randomized controlled trials. Mol Nutr Food Res. 2018 Jan;62(1).
※2
Yohei Mineharu,et al. Coffee, green tea, black tea and oolong tea consumption and risk of mortality from cardiovascular disease in Japanese men and women. J Epidemiol Community Health. 2011 Mar;65(3):230 40.
※3
Wenbin Liang,et al.Tea consumption and ischemic stroke risk: a case control study in southern China. Stroke. 2009 Jul;40(7):2480 5.
※4
Wan Shui Yang,et al. Tea consumption and risk of type 2 diabetes: a dose response meta analysis of cohort studies. Br J Nutr. 2014 Apr 28; 111(8):1329 39.

(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)