ルーベン・ロイ氏は失敗しても自分を責めるようなタイプではないが、先月、ある決算発表の電話会議で自分が言った言葉を今も恥ずかしく思っている。ロイ氏は米金融持ち株会社スタイフェル・ファイナンシャルのマネジングディレクター。ある医療企業の決算発表の電話会議で質疑応答の際に、投資機会に関する発言について最高経営責任者(CEO)に詳しい説明を求めた。「先ほどのご発言についてもう少しダブルクリックしたいのですが」。ロイ氏はそう言った瞬間、恥ずかしくなった。「ダブルクリック」はここ数年で急速に広まったビジネス流行語で、賛成派と反対派がくっきりと分かれていながら広く浸透している。特に金融業界では、マウスをダブルクリックしてパソコンのフォルダーの中身を見るように、「何かをもっとよく調べる」という意味の簡易表現として使われている。ロイ氏のようにこの表現を不快とか気取っていると思う人もいるが、擁護派は深い思考を促す表現だと主張している。
不快なビジネス流行語「ダブルクリック」を深掘り
企業の電話会議で広く使われるようになったが、賛否が分かれる
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