半導体「巨額補助金」はコントロール必要、財源は租税特別措置縮小・廃止で捻出をPhoto:PIXTA

「酷暑乗り切り緊急支援」は
骨太2024年の「歳出改革努力」に反する

「骨太の方針2024」に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度に黒字化させるという財政健全化目標が書き込まれた。

 岸田政権発足後の22年、23年と2年続けて「骨太の方針」から「2025年度の基礎的財政収支黒字化」という文言がなくなり、「財政健全化の旗を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む」というあたりさわりのない表現が続いていただけに、財政当局は安堵(あんど)したことだろう。

 だが一方で驚いたのは、骨太の方針を閣議決定した同じ日に、岸田首相が記者会見し、物価高対策として、電気・ガス料金の8月~10月分の補助再開などを柱にした「酷暑乗り切り緊急支援」を打ち出したことだ。6月からは3.3兆円規模の定額減税が始まったばかりだ。

 骨太の方針には、「歳出改革努力の継続を前提として、25年度の黒字化が視野に入る状況にある」として、「25年度の国・地方を合わせたPB黒字化を目指すとともに……債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指し」と記述している。

 つまり、PB黒字化のためには歳出改革の継続が必要としながら、規模は大きくないものの、早速に経済効果のはっきりしない財政支出を行うというわけだ。

 これは、明記したばかりの「歳出改革努力」に真っ向から反する行いと言える。「金利ある世界」に戻り、財政の規律が一層求められている中で、感覚のズレや認識の甘さはほかにもある。