日本円の実質実効レート(2024年5月時点)
の、ピーク(1995年4月)からの下落率
円安の勢いが止まらない。ドル円レートは、6月下旬に一時38年ぶりの水準である1ドル=161円台まで下落し、その後も1ドル=160円前後で定着しつつある。さらに実質実効レートで見ると、1995年4月に付けた最高値と比較して下落率は64%と、約3分の1の水準にまで円の購買力は低下している。これは67年11月以来の低水準だ。
現下の円安の要因として頻繁に指摘されるのが、米国債利回りの再上昇だ。しかし、これはあくまでもドル高の背景である。円安の真因は、円の需給要因である、貿易・サービス収支、直接投資収支、証券投資収支の全てが円売りに傾いていることに加え、将来的にも転換の見込みが小さいことにある。