2024.7.29 円の購買力は歴史的低水準、円安スパイラルを招いた根本要因に対処せよ 円安の勢いが止まらない。ドル円レートは、6月下旬に一時38年ぶりの水準である1ドル=161円台まで下落し、その後も1ドル=160円前後で定着しつつある。
2024.5.27 24年の日経平均株価は「最高値更新の日常化」を象徴、日本でも日常風景になるか 2024年2月22日、日経平均株価はついに、バブル絶頂期の1989年12月29日に記録した最高値を更新した。日経平均最高値更新と表裏一体の現象として、デフレ不況は終焉を迎えたのであるが、「賃金と物価の好循環」に直結するかどうかは不透明だ。
2024.3.18 失われた30年の諸悪の根源「バランスシート不況」は終焉、舞台は日本から中国へ 日本の「失われた30年」の原因は何か。このテーマはいまだに百家争鳴の状態だ。しかし、「バランスシート不況」に大きな影響力があったことは、広く認められている。
2024.2.5 連合の弱気な賃上げ姿勢が日本経済好循環の壁に、組合は賃金交渉を活性化せよ 日本は既にデフレを脱却し、インフレの世界に突入しつつある。しかし、過去30年もの長きにわたって待ち焦がれてきたはずのインフレの到来は、必ずしも歓迎されているとはいえない。
2023.12.4 訪日外国人旅行者の消費額は再び目標8兆円が視野に、高単価なサービスへの転換を 日本政府がかつて掲げた「2020年に訪日外国人旅行者数4000万人、消費額8兆円」という目標を覚えているだろうか。実に7年も前のことだが、コロナ禍前のピークの19年時点でも目標までは距離があった。その後、コロナ禍で目標の達成は一気に遠ざかった…
2023.10.16 日本の生産性の低さは産業政策の不在のせい?政策の失敗を見直すべきだ 日本は生産性が低い。生産性の伸びも鈍い。成長戦略が必要だ。政策界隈やマクロ分析業界では、耳にたこができるほど繰り返されたフレーズである。日本の生産性は長らく伸び悩んできた。その背景として指摘されるのが、旧態依然とした日本の商慣行や…
2023.7.31 需要が失われた30年から供給が失われる30年へ、労働力不足の解消が急務に 過去の記憶として葬り去られつつある「失われた30年」。多くの要因から発生した劇的な需要不足が、日本経済の長期停滞を演出した。今は幸か不幸か、長年の賃金低迷と近年進展した円安の結果として日本人の労働コストが相対的に安価となり、空洞化は…
2023.5.22 金融不安は長期化の公算大、危機の火種になり得るノンバンクの監督強化を 米国を中心に、世界的に金融システム不安が台頭している。米シリコンバレー銀行と米シグネチャー銀行は3月、破綻に追い込まれた。その後、連鎖破綻懸念は一時的に後退したが、5月1日の米ファースト・リパブリック銀行の破綻で新たな懸念が生じた。…
2021.2.20 日本経済のV字回復を妨げる真の課題、GDP好調の「裏側」を斬る 新型コロナ検査陽性率の顕著な低下やワクチン接種率の上昇により、米国では「黄金の20年代」再来ともいうべき好景気の到来が見込まれる。かたや日本は、2020年10~12月期の実質GDPが好調だったが、実体経済のV字回復に向けたハードルは、米国よりも…
2020.11.18 7~9月期の日本経済は史上最大級の回復、今後の命運を左右する「2つの鍵」 先日発表された2020年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比年率+21.4%を記録した。史上最悪のマイナス成長となった4~6月期からの立ち上がりで、史上最大級の成長率を記録した格好だ。とはいえ、日本経済の先行きは決して平坦なものではない。今後の…
2020.9.8 「菅政権」成立で真正面から向き合うべき、アベノミクスが遺した宿題とは 安倍総理大臣の辞任を受けた自民党総裁選挙が行われる。情勢は菅官房長官の圧倒的有利となっており、17日に菅政権が誕生する可能性が高い。新リーダーには、アベノミクスが遺したいくつもの「宿題」をこなすことが求められる。取り組むべきポイント…
2020.3.30 コロナショックで真に懸念されるべき経済・金融の「新たな主戦場」 コロナショックの拡大が続き、世界的な感染者数の増加、実体経済の悪化、金融市場の混乱が連鎖的に進展している。最初の感染者確認から現在までの局面変化を整理し、今後考えなくてはいけない経済・金融面での課題を展望しよう。次の「主戦場」はど…
2020.2.19 10~12月期GDP「大幅マイナス成長」の伏兵と、見据えるべき今後の不確実性 2月17日に発表された2019年10~12月期の実質GDP成長率は、前期比年率▲6.3%となり、リーマンショック以降の数値としては前回増税直後に次ぐ、大幅なマイナス成長を記録した。想像以上の落ち込みの背景と、今後の不確実性を探る。