残念だけど、いま上場企業のしかるべき経営者で、国会議員の後援会長なんか務めた人は1人もいないでしょ。

 みんな自分の商売だけで、そして内部留保をずっと積み上げるけれど、株主総会は無事に切り抜けないといけないから自社株買いだとか株主配当はするけど、賃金は上げてこなかったわけでしょ。アベノミクスがうまく回らなかった一つの原因ですよ。

 結局、ロシアのウクライナ侵攻で国際物資の流通が停滞したり、アメリカが金利を上げていったから、彼我の金利差ができて、円を売ってドルを買って、ドルで運用しましょうということで円安になっている。

 それで輸入物価が高騰したから、やっと経営者も重い腰を上げて、昨年ごろから春闘の賃上げが始まっているわけでしょ。もうちょっと早く上げていれば、日本の景気はもっと早くよくなっていたと思いますよ。

 企業の経営者には、自分や自社のことだけではなく、社会のために動く視点を持って欲しいものです。戦後の経営者たちがそうであったように。