コンサルの「炎上プロジェクト」が目立ち始めた理由、“支援”のウラにある闇深い事情とは写真はイメージです Photo:PIXTA

関わっている企業の具体名は伏せるが、昨今はコンサルティング業界でプロジェクトの“炎上”が目立ち始めた。優秀な人材が集まっているはずのコンサル業界で、今何が起きているのか。「失敗しないコンサル選び」と合わせて、独立系コンサルの現役経営者が解説する。(森経営コンサルティング代表取締役 森 泰一郎)

コンサルに任せたプロジェクトは
なぜ“炎上”するのか?

 昨今、コンサルティングファームによるプロジェクトの失敗事例を度々耳にするようになった。プロジェクトの“炎上”が表沙汰になっているコンサルは、どちらかというと「IT系」や「総合系」に多い印象だ。

 念のため解説しておくと、IT系はその名の通り、ITツールを活用した課題解決に強みを持つコンサルである。総合系はITだけでなく、財務・会計・人事など、多岐にわたる領域をカバーするコンサルだ。

 筆者はコンサルファームを経営しているが、実際に事業会社から「他のコンサルに依頼したプロジェクトがうまくいかない」と相談を受けることがある。プロジェクトの成果物を見てみると、確かに「失敗」と言わざるを得ないケースも多い。

 こうした状況はなぜ起こるのか。今回は、コンサルファームによる“支援”がうまくいかない理由と、顧客企業が「コンサル選び」で失敗しない方法について解説していこう。

【次ページ以降】
・プロジェクトの“炎上”を招く「2つの要因」
・「戦略系コンサル」の“炎上”が表沙汰になりにくい理由
・信頼できるコンサルの選び方