石黒 僕自身は父のうんちがくさいと思ったことはそもそもないんですが、もし、中年男性の便のほうがくさいのであれば、脂っぽい肉系のものを摂取する機会が多いからだと思います。肉料理を召し上がる人のほうが野菜料理よりも、便のにおいは強くなります。

――肉料理を食べるとにおいが強くなるのはどうしてですか?

石黒 肉だけではなく高たんぱく・高脂肪の食品、ネギ・にんにく類などのイオウ成分が多い食物も、においという面では要注意なんですが、これらを沢山、摂取すると、スカトールやインドールと呼ばれる「におい物質」を作り出すのです。たんぱく質が悪玉菌によって分解されるときに出る物質なのですが、これが、いわゆる大人のうんちのにおいの元になります。

――つまり、便が強烈にくさいときは、腸内で悪玉菌が優勢ということでしょうか?

石黒 そうです。たんぱく質や脂肪が消化吸収しきれぬまま大腸に届くと、腸内では悪玉菌が優勢となり、腸内で腐敗を起こすんですね。逆に言えば、においがきついなというときは、腸内環境が悪化していると考えられます。

――肉中心の高脂肪・高たんぱくの食事のとり過ぎは便がくさくなるということですが、沢山、肉を食べる若者でも同じように便はくさくなるのでしょうか?お父さんの便は臭いというイメージはありますが、若者では、そういった悩みをあまり聞かない気もします。

石黒 もちろん、若者であっても肉を食べ過ぎれば、結果、便はくさくなります。違うのは代謝。やはり、中高年になると代謝は落ちます。代謝が落ちるということは、体に悪いものが溜まるってことなので、体臭も含めて、においもきつくなるって傾向はあるでしょう。やはり、代謝がいい人のほうが体はきれいになるんです。