伊藤忠商事は、新経営計画で1兆円を上限とする成長投資を行うとぶち上げた。既存のビジネスの知見を生かすのか、それとも新たな「飛び地」に商機を見いだしていくのか。特集『伊藤忠 三菱・三井超えの試練』の#4では、鉢村剛CFO(最高財務責任者)に投資の肝を聞いた。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
セグメントごとに純利益1000億円へ
情報金融やファミマなどに期待
――4月の経営計画発表後、株価の上昇が続き、期待の高さを感じました。受け止めは。
2023年度第3四半期決算の公表後の株価の動きを見ると、総合商社の中で弊社のパフォーマンスは高値とはいえいまひとつです。
その背景に、当時は経営計画を出す前で、将来の成長について経営陣の考え方が見えず、確信が得られなかったことがありました。不安を払拭するため、5月の決算発表より1カ月前にまず経営計画をしっかりお伝えしました。これがマーケットから評価を頂いたと思っています。それを踏まえた株価上昇はありがたかったです。
次ページでは、伊藤忠商事の鉢村剛CFOに、今後の投資の考え方や、将来のポートフォリオ像、さらには各カンパニーで純利益1000億円を目指す考え方と、有望な事業などを余すところなく語ってもらった。