怒り狂って暴言を吐く
クレーマーへの対処法とは

 お客様が怒って手が着けられない場合は、「3つの代える」を実践します。

 クレーム対応の基本中の基本なので覚えておきましょう。

・人を代える
・場所を代える
・時を代える

 この「3つの代える」を実践して相手のクールダウンを試みましょう。

 また「お前はバカなのか!」「言う通りにしないと殺すぞ!」など、身の危険を感じるような暴言を吐いてくる人には、対応者が怖がっていることを伝えるのも効果的です。

 周りに聞こえるような大きな声で

「今私に、殺すぞ、とおっしゃったのですか?」
「私は今、怖くて震えてしまっています」

 などと伝えれば、周囲のスタッフに状況を伝えることになりますし、相手をひるませる効果があります。

 どんなに怒っているお客様も人間なので、「そんなにひどいことをしてしまっていたのか」と冷静になって反省しはじめることもあります。

 これは、相手を責めているのではなく、自分の現状を伝えているだけなのでお客様に対する脅しにも侮辱にも該当しません。

 もし相手が、

「俺に恥をかかせようとしているのか!」

 などと逆上してきたら、

「私は自分の恐怖を伝えているだけですが……」

 と言い返しましょう。お客様対応であっても、緊急時には自分の感情を優先させ、思いをさらけ出して構いません。

 声の大きなお客様には、ペーシング(編集部注/相手の警戒心を取り除き、安心感を与えるテクニック)とチューニング(編集部注/相手の声の大きさや調子、テンションに合わせて話す方法)を活用しましょう。相手の声量に合わせて、こちらも大声での対応に切り替えると、相手の勢いを抑えることができます。大きな声を出すと、自分自身が落ち着き、勇気が湧いてくるという効果も期待できます。

 大きな声で怒鳴られると、反射的に言い返してしまうというタイプの人は、心のなかで「1・2・3・4・5・6」と6つ数えてください。

 このように一呼吸おくことで、冷静さを取り戻して対応できるようになります。

POINT
 怒鳴って暴言を吐き続けるお客様には、チームで対応する。1人で対応せざるを得ないときには、自分が怯えていることを大きな声で伝えると効果的。