自分勝手に騒ぐ客にも
部分謝罪で冷静に対応しよう

クレーム対応シミュレーション
CASE2【自分勝手な主張を繰り返された】
 ポイントカードをつくったばかりのお客様から「今まで商品を購入した分のポイントもさかのぼってつけてもらえないか」と言われました。
 お店のルールに則って、「できません」とお断りすると、ヒートアップしてしまい、「いつも来ているのだから、店のスタッフ全員に確認すれば分かるはずだ」「今までポイントカードを勧めなかったのは、店側の落ち度だ」と、自分勝手な主張を繰り返して、一向に納得してくれません。

NG対応例
「そうですよね。私からも掛け合ってみます」と共感し、その場しのぎの約束をしてしまう。

 相手の気持ちに共感してしまうと、さらなるクレームに発展する恐れがある。

 無理な要求を繰り返すお客様の場合でも、まずは部分謝罪から対応を始めましょう。怒っているお客様の態度の裏には正当な要求が隠れているかもしれません。

 このときのポイントは、決して共感しないことです。その場しのぎで相手の気持ちへの共感を示してしまうと、「そう思っているならお前がなんとかしろ」と相手の怒りに呑み込まれてしまいます。

 共感するのではなく、「ご不便をお掛けしてしまい、申し訳ございません」という点にのみ部分謝罪をして、相手の心情に寄り添っているという姿勢を見せつつ、相手にクレームの内容を話してもらいやすい状況をつくります。

 その上で相手の要求を6W3H(編集部注/5W1Hに、Whom、How much、How manyを加えたもの)を使って把握しながら、事実確認をしていきます。

 ただし、「お客様のおっしゃる通りです」「お気持ちよく分かります」などの言葉は、相手の話をよく聞いてから使わなければなりません。

 場合によっては全面的に要求を認めたと捉えられて、「さっきは非を認めていたじゃないか!」と状況が不利になるからです。