まずは、その地盤作りを徹底することが、配当株投資の第一歩となります。

多くの株を所有することで
「迷走」が始まってしまう

「投資額が増えるまでは、銘柄数を増やさない」とお伝えしましたが、すでに配当株投資を始めている人の中には、無配や減配のリスクを分散させるために、20~30銘柄どころか、50銘柄以上の株を保持している人も少なくないようです。

 投資は自己責任ですから、銘柄数が多いことを否定するつもりはありませんが、あまりにも多くの株を所有してしまうと株の「管理」がきちんとできなくなり、それが「迷走」の原因になります。

 株の管理は、配当株投資を進めていく上で重要な意味を持っていますから、その仕組みとポイントを整理してお伝えします。

 配当株投資とは、「年間配当金」を増やすことを目的とした投資法です。

 年間配当金は、次のような3つの要素で構成されています。

年間配当金=持ち株数×{1株配(1株当たりの配当額)+増配}

 配当株投資では、主力銘柄を淡々と買い続けて「持ち株数」を増やすことが最優先の課題ですが、それと並行して、決算時に発表される業績などを確認して、投資先企業の健康状態をチェックすることが大切です。

 企業が株主や投資家向けに業績や財務状況を開示する「決算」には、1年に一度の決算期に行う「本決算」と3カ月ごとに行う「四半期決算」があり、その内容はおおむね45日以内に「決算短信」として発表されます。

 この他にも、投資判断に必要な情報を企業が自社のウェブ上で公開する「企業IR」などもチェックしておく必要があります。

 これが、株を「管理」するということです。

 私の場合は、ウェブサイトの『株探』などで、3カ月に1回のペースで発表される「決算短信」に目を通して、「投資先の企業が今どうなっているか?」を知るようにしています。

株の管理でチェックすべき
4つのポイント

 チェックしているのは、次の4つのポイントです。

(1)「売上高」は企業が予想した通りに上がっているか?
(2)「営業利益」は伸びているか?
(3)「純利益」(利益から経費を差し引いた最終的な利益)は出ているか?
(4)「1株当たり利益」は出ているか?

「1株当たり利益」(EPS)とは、企業が「1株ごとに、どのくらいの純利益を出しているのか?」を見る指標です。