企業による増配には、大きく分けて3つの種類があります。

(1)「普通増配」企業の業績が良かったときに株主に還元
(2)「記念増配」創業何十周年など、企業が節目を迎えたときに株主に還元
(3)「特別増配」固定資産の売却など、特別な理由で利益が出たときに株主に還元

 一般的に増配という場合は、(1)の普通増配のことを指します。

 増配できるということは、その企業の業績が良かったことを示しており、企業が利益を出し続ける限りは、増配を期待することができます。

 それが長く続けば、配当金ダルマはグングンと成長することになります。

 増配する企業には、着実に増配を続ける企業もあれば、業績に応じて凸凹がありながらも増配する企業など、さまざまなパターンがあります。

 配当株投資は、最低でも10年は続ける必要のある投資ですから、大事なのは過去10年前後を振り返ったとき、1株配がどのくらい増えているか……を見ることによって、その企業の「増配力」を判断することです。

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無期限で非課税となる

 企業が配当金を増配すると、どんな恩恵が得られるのか?

 増配がもたらす効果を、簡単なモデルケースで紹介します(図5参照)。

図5:毎年1円ずつ増配した場合の配当金の増え方同書より転載 拡大画像表示

 現在、1株当たり10円の配当金を出している企業が、毎年1円ずつ増配を続けたとすると、10年後の配当金は2倍の20円になります。

 この株を1株配10円のときに1万株買って持ち続けていれば、10年後に受け取る配当金は2倍の20万円に増えているということです。

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 この間、企業は毎年1円ずつ増配していますから、最初は10万円だった年間配当金が、翌年は11万円、その次の年には12万円……と増えていって、毎年その金額を受け取りながら、10年後には20万円に達していることになります。

 これが増配の恩恵であり、配当株投資の真骨頂といえます。

 新NISAの「成長投資枠」を使えば、得られる配当金は無期限で非課税となるため、総計165万円は丸ごと利益として受け取ることができます。

 企業による増配を得ることで、新NISAの一番のメリットを存分に活かすことが可能になるのです。