未成年モデルであっても、制服や浴衣での撮影であれば問題ないと考えるか、AV女優も出演する撮影会に未成年が出演するのは問題があると考えるかについても議論があるだろう。

 今回の撮影会とは関係がないが、キッズモデルに対する私的な撮影会は過去にSNS上で何度か取り沙汰されている。

 10代前後の少女と過度に接近したり、あるいは添い寝のような格好で写真を撮ったりする成人男性たちの様子が拡散され、話題になることがたびたびある。このような撮影会が実際にあることから、「撮影会」や未成年の参加について、懸念を抱く人もいる。

市民による抗議は
「表現の自由」侵害にあたらないのでは

 今回のような撮影会に対して抗議の声が上がると、「表現の自由ではないか」と反発が起きることがある。

 本来「表現の自由」とは、言論の封じ込めなどを行おうとする権力に対しての対抗であり、市民同士での議論において「表現の自由」を錦の御旗にはできないはずである。反対する市民側にも抗議の自由があるし、市民側の反対は「規制」ではない。

 また、都知事選ポスターで全裸に近いポスターが撤去されたことが記憶に新しいが、「表現の自由」があるからといって、どんな場所でどのような表現行為を行ってもよいわけではない。

 どのような表現行為がアウトなのか、あるいは許容されるのかについては、法的な規制が入らないためにも、その都度市民の間で議論が行われることこそが健全だ。SNS上ではレッテル貼りや誹謗中傷が横行し、なかなか建設的な議論が行われない。このムードに行政が加担し、一方の意見を封じ込めることがあるならば、残念に感じる。

 市が管理する公共施設で認められるということは、市がお墨付きを与えたイベントという印象で受け取られる。公共施設での「ふさわしい催し」の線引きについて、行政が一方的に提示するのではなく、市民による議論を見たい。