埼玉県鴻巣市で閉校した小学校を使い、女性タレントらが集まっての撮影会が行われることになり、一部の人々から校舎貸し出しの中止を求める訴えが出たという。これが朝日新聞で報道されると、SNS上では抗議に対する反発の声が強まった。果たして、制服撮影会は「性的」なのか。どこで線引きをすればいいのだろうか。(フリーライター 和田 光)
廃校で女性タレントが制服撮影会
抗議する人、抗議に反発する人の「言い分」
廃校で行われる制服撮影会は「性的」なのか、否か。市が管理する公共施設において、ふさわしい催しの線引きはどこにあるのか。
少子化が進み、廃校の有効活用に頭を悩ます地方自治体が多い中、今後はこのような議論が必要なのかもしれない。
きっかけは朝日新聞の記事「旧校舎で女性タレントら120人の制服撮影会 『性的興行』と反対も」(https://digital.asahi.com/articles/ASS8B3CHDS8BUTNB004M.html?iref=pc_ss_date_article)(2024年8月12日)だ。
記事は、埼玉県鴻巣市の旧小学校(2年前に閉校)で、民間事業者による制服や浴衣姿の撮影会が8月13〜15日にかけて行われ、120人の「女性タレント」が出演することと、市に対して、複数の市議や市民団体関係者らから撮影会への校舎貸し出しの中止を求める訴えがあったことを伝えている。
撮影会の主催者は麻雀専門の漫画雑誌で、グラビアページが多いことから近年、水着での撮影会を定期開催していた。
昨年の6月には、埼玉県営プールで予定されていた水着撮影会が中止になっている。これは過度な露出や未成年の出演に抗議の声が上がったため。今回、廃校での撮影会を行う民間事業者は、この水着撮影会で中止要請が出た事業者の一つだった(※中止要請は6団体中4団体に対しては後に撤回されたが、スケジュールの都合などから全て中止になった)。
今後もこのような公共施設での撮影会についての議論は続くだろう。自治体はどのような点を考慮して検討するべきなのか考えてみたい。