天気は必ず人の行動を変える
例えば皆さんはゲリラ豪雨に遭ったらどうするでしょうか。会社の外にいれば、雨宿りをしたり、電車に乗れなくなったり、トラブルに見舞われるかもしれません。会社の中にいたとしても、少なくとも天気予報のアプリを見たり、ニュースを見たりはするでしょう。
ここで重要なのは、「天気は必ず人の行動を変える」ということです。
特にゲリラ豪雨のような極端な気象であれば、ほぼ確実にお客さんの行動に影響を与えます。
この時に、お客さんのビジネスに起きた変化について、アイスブレイクで質問するのです。もしかすると、お客さんの本業に関わる重要なトラブルが起きているかもしれません。
例えば、「この間新宿駅のモニターが水没したって話がありましたね。そういえばお客さんのほうは大丈夫でしたか?」のように聞いてみてください。そうすると、「雨だとビジネスに影響があって」という話が出てくることがあります。「実はうちの近くの道路が水没して」のような重大なインシデントが起きている可能性もありますし、逆に「自分の会社は大丈夫だったけど、取引先が大変で」のようなお客さんの取引先に関する情報が出てくるかもしれません。
普段は聞けないことを自然に聞き出せる
こういった質問は、普段お客さんにダイレクトに質問しづらいことが多いです。なぜなら、質問に答えてしまうと、営業をかけられるかもしれないからです。基本的にビジネスに関する新しい提案はあまり受けたくないのが普通でしょう。不信がられてしまうケースも多いです。
しかし、天気で何か影響があったときには、こういった質問が自然にできる貴重なチャンスです。お客さんからかえって感謝されることすらあるという点では、「いつもと評価の軸が変わっている」タイミングだと言えます。
職場で出世する人は、こういった「評価基準が逆転する機会」を必ず生かします。逆にこういった機会を生かせないようでは、出世のチャンスが逃げていく事はイメージできると思います。
一見、つまらない話題のような気もするかもしれません。しかしこれほど「お客さんのビジネスへの質問につなげやすい話題」は他になかなかないというのが実情です。
天気の話にかかる時間は、ものの数分です。こういった機会を生かせば、最小限の労力で、最大の評価を得ることができます。出世の確率も自然と上がっていくことでしょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する特別な書き下ろし原稿です)
本部公認で副業としてブログを運営する、年収1400万円の現役メガバンク行員。10年以上メガバンクという極限の環境で生き残り、最短で出世街道を歩んでいる。新卒で配属された支店で猛烈なパワハラ上司に理不尽に詰められ続ける過酷な労働環境の中、理系的な分析手法によって独自の「高コスパな仕事術」を編み出す。証券会社に出向して花形の投資銀行業務に携わった後、銀行に戻って上場企業を中心とした大企業営業を経験。現在も本部勤務を続けている。