「自分の得意分野で勝利に導く」宮城の名言
「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!」

 二つ目の成長ステップは、「好き」や「得意」を大切にし、「勝利への貢献度」に結び付けることです。これらの条件を満たす能力を、「ユニークアビリティ」と呼びます。

 湘北バスケ部のメンバーは全員、バスケが好きであるとともに、各自に得意分野があり、それらを存分に発揮することでチームの勝利に貢献します。ユニークアビリティとは、企業育成の第一人者であるダン・サリヴァンが提唱した概念で、「人が情熱をもって物事に取り組める能力」です。このユニークアビリティを象徴するせりふが、宮城から発せられます。

 身長168cmの宮城は、幼少期からとりわけ熱心にドリブルを練習してきました。バスケットボールというスポーツは、身長が低いことがハンデとなるので、人に負けない自らの武器を見つけ出し、全国で通用するまでドリブルを磨き上げてきました。

 物語の最終盤では、高校最強を誇る絶対王者・山王工業高校と対戦します。試合の後半で宮城は、超高校級の沢北と深津という長身選手からプレスをかけられ、ボールを前に運べず、大ピンチに陥りました。

 疲労が溜まり、前半のような体のキレもありません。しかし宮城はここで諦めるどころか、「こんな でけーのに阻まれて どーする」と闘志を燃やします。そして――。

「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!」

 そう気合を入れた瞬間、超低空でドリブルを敢行。見事、2人のディフェンスを切り裂いてみせます。まさに、宮城がユニークアビリティを生かして、チームに貢献したシーンです。