さて、この「私はこう思われたい」という旗のことを、「ブランド・キーワード」と呼びます。時間をかけて周囲に浸透させていくことで、あなたがどういう人か、徐々に理解されるようになります。ブランドが一朝一夕に確立できないのは、このためです。

勇気を持って旗を掲げ
自分をまっすぐ伝えよう

 周囲に対し、わざわざ自分からそんなことは言えない、伝えられない、恥ずかしいと躊躇する人も多いかもしれません。でも、逆の立場になってみてください。

 例えば取引先の担当者から「実は得意な仕事」「いつかやりたいと思っている仕事」の話を聞けたら、その人に親近感が湧き、「一緒にその仕事をしたいな」とか、「適任の仲間を紹介できるかも!」などと思いませんか?会社の後輩が「自分がなぜ、この業界に入ったのか」「何を目指しているのか」を話してくれたら、力になりたい気持ちが増すのではないでしょうか。

「自分が大切にしていること」を人に伝えるのは、勇気がいります。バカにされたり、笑われたり、否定されたら怖い、と思うからです。

 うまく伝えるには、自分を茶化さずに、思い切ってまっすぐに伝えることです。人はひたむきに何かに打ち込む人をバカにしたり、からかったりは、なかなかしにくいもの。もし自分が「すぐに茶化されてしまうタイプ」と感じている場合は、自分から茶化されてもよいように逃げ道を作りながら話している可能性があります。

 大切なのは、勇気を持ってまっすぐに、「私はこれが得意」「私はこれが好き」と旗を掲げること。旗を掲げた人だけが選ばれ、応援される人になるのです。