「高級ファミレス」の代名詞とも言えるロイヤルホスト。伝説のハリウッドスターが絶賛した看板メニューとは? ロイヤル創業者が自社を「63点」と辛口採点した理由、そしてサイゼリヤとは対照的なコンセプトに迫る。(イトモス研究所所長 小倉健一)
◇◇◇
マリリン・モンローが絶賛した伝説のメニュー
最近、ファミリーレストランがどんどん高くなっている。ちょっとセットやら、何かを頼むと1500円ぐらい平気で届いてしまうのだ。だったら高級なファミレスは、いまどんな状況になっているのか。それを確かめに、東京都内のロイヤルホストへと向かった。
ロイヤルホストというと、今はもうドリンクバーに取って代わられてしまったが、かつては「コーヒーおかわり自由」を目当てに通ったものだ。マリリン・モンローが絶賛したという「オニオングラタンスープ」(※)でも有名であろう。
そんなファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を経営する、ロイヤルホールディングスが好調だ。8月7日に発表した2024年1〜6月期連結決算では、9四半期期間連続での経常黒字、主要業態である「ロイヤルホスト」は33カ月連続で既存店売上高が前年比を上回っていた。
ロイヤルHDは、ロイヤルホストの他にもレストランチェーンである「天丼てんや」「シズラー」「シェーキーズ」や、ホテルチェーンの「リッチモンドホテル」を運営している。
《日本フードサービス協会によると、ファミレス全体の店舗数は19年末から22年末にかけて7%減った。対してロイヤルホストの国内直営店の閉店は4店舗のみで、比率は2%。それも「賃貸契約などに伴うもので、コロナ理由による閉店はない」(同社)という。店舗網の維持による「残存者利益」も得ている》
(日経MJ、2023年11月20日)
ロイヤルホストは、他のチェーンと比べて比較的高価格帯で質の高いメニューを提供する戦略を展開している。ロイヤルホストのロゴには「Hospitality Restaurant」とうたわれている。ホスピタリティ、つまり「おもてなし」を大切にし、少し特別な日・ハレの日の利用を強調しているイメージが私にはある。