大サビめぐり社長とぶつかった
「冷めた牛丼をほおばって」

 俺の中では「ファンキー加藤節」が一番にじみ出ている曲だなと思っている。歌詞の内容も含めて「ファンモンにはなくて、ファンキー加藤の色が一番出てる曲は?」と聞かれたら、間違いなく「冷めた牛丼をほおばって」と答える。この曲が好きって言ってくれるファンもやっぱり多いんだよね。

 あと、冒頭のハーモニカは、俺がずっと憧れて、好きで見ていた甲本ヒロトさんとか長渕剛さんの影響だと思う。

 この楽曲を作っていたときは、ソロ活動に関して結構、いろいろと踏ん張っていた時だった。ぶっちゃけ集客の面も少しずつ落ちてきて、ちょっと苦しかった。崖っぷちまでは行かないけど、何か1つの分岐点というか、岐路に立っていた。

 そのときの自分の心境をリアルに書いた。

 実は、ウチの社長とちょっとぶつかったところがあって、それは歌詞の大サビの部分。

どしゃぶりの雨の中傘もささずに走る
そんな気力なんて今はないけど

 ここのところを社長から、「ファンキー加藤なら、どしゃぶりの雨の中を傘もささずに走っていくだろ?」って言われたんだけど、そのときの俺の気持ち的には、どしゃぶりの雨に打たれては行けなかったんだ。