リアルな思いを貫いた
ささやかな反抗

 ただし――。

雨上がりの虹を信じて それくらいは信じて走り出すよ

 雨の中を走る気力はないけど、雨上がりに虹は出てくれるんじゃないか、と。それが俺のリアルだった。

 2018年、40歳になるぐらいで、少しずつ身体もいうことをきかなくなってきたこともあって、自分の感覚を素直に表現した言葉だ。

 これが20代とか30代前半だったら、どしゃぶりの雨の中でも傘をささずに走れるでしょう。でも、社長、ここら辺の俺のリアルな思いは受け取ってください!って説得した。4年に1回ぐらいある、社長へのささやかな反抗(笑)。

書影『未完声』『未完声』(徳間書店)
ファンキー加藤 著

 当時の自分の気持ちが、ちょっと痛いぐらいに書けて、結果的にこの曲に俺自身も救われた。どこの会場でも、いろんなフェスとかでこの曲を歌うと、聴いてくれるみなさんの熱量というか、グッと温度が上がるのが感じられた。

 これからもきっと歌い継いでいく曲だと思う。「これこそがファンキー加藤だ」っていう。

 ソロ10周年の日比谷野音では「40」と前後してやった。「40」はもっとファニーで、この「冷めた牛丼をほおばって」と裏表かもしれない。