まっすぐな伝わっていく
音の波動に鳥肌が立った

 あとはもう、本番の3月11日の生放送がどうなるかだけだった。

 スイッチが入った状態で歌ってみて、いまいちだったらたぶん、もう今後はない。バチッとハマったら、またやりましょうかっていう。最終判断が3月11日の生ライブだった。

 結果、ハマった。やっぱりすごい歌のパワーを持っているなと思った。

 モン吉の声と重なったときの、まっすぐ伝わっていく音の波動というか、自分で歌いながら鳥肌が立つような感じがあった。

 やっぱ、すげえ、俺たち、波長が合うんだな……。

 リハーサルでは、俺もモン吉も割とゆるゆるやってしまって、なかなかスイッチが入らない感じだった。俺たちは前からステージ上のスイッチの振り幅が大きくて、リハーサルだとどうしてもそこまでアドレナリンが出せないんだ。

 しっかりと練習を重ねてはいくけど、いつだって「最終的には本番になってみないとわからない」っていう。

 以前の曲作りとかでも、頑張って作ってレコーディングして、いざライブで披露したら全然盛り上がらないな、みたいなことはあった。逆に、なんでこの曲はこんなにライブだと生きるんだろう、みたいなことも。だから、この日も最終的に本番でどう転ぶかがまったくわからないままだった。