「あのころの3人」に
少しずつ戻っていった

 すごくこっちの気持ちに寄り添って、いろいろな話をしてくれた。

 俺には加藤俊介にとっての親父と、ファンキー加藤にとっての親父がいる。後者の親父は社長だと思っているし、ファンキー加藤の生みの親だ。やっぱり親父にそう言われたら、こう言うしかない。

「じゃあ、やらせていただきます!」

 そこで一気にギアを入れた。社長とそうやってサシで話せたのが本当に大きかった。

 そのときは「一夜限り」の復活で、まずはモン吉やケミカル、スタッフも交えて1回話さなきゃダメだと思って、話し合いの場を持った。すっげえピリピリした話し合いを(笑)。

 俺とモン吉、事務所のみんなが揃った。「あのときに言えなかったことを1度打ち明けないとモヤモヤする」ということで、俺とモン吉がそれぞれ思っていることを隠さず話した。

 ファンモンのときは言えなかったけど、俺はあのときはこう思っていたっていうのをお互いにしっかりとぶつけ合った。そんな過程を経てからリハーサルスタジオに入ることになったんだけど、最初のうちはまだ何かちょっと変な空気感。2人で「あとひとつ」を歌うんだけど、なんかしっくりこなかった。でもその間、ずっとケミカルがフラットな立場で見てくれていた。

 少しずつ話していくうちに、時間が経つうちに「あのころの3人」に戻っていけたような感じがした。

 すぐには無理だけど、ちょっとずつ時間をかけて。あと、みんなシンプルに歳を取って丸くなった、っていうのもあったかもしれない。