活動休止ではなく解散から
再始動したことの意味

 それが本番では鳥肌が立つぐらい噛み合った。最高の状態での再結成の歌を全国の皆さんに届けることができたと思う。

 生放送が終わったあと、「やりましょう」「うん、続けていこうか」って話になった。

 一夜限りの再結成から再始動に向けた話し合いのときは、俺たちはもちろん、スタッフも社長もみんな真剣だった。

 活動休止じゃなく1度解散してからの再始動なので、相当なエネルギーが必要だ。ましてやケミカルという飛び道具的なアイコンは、再始動からのファンモンにはいないわけだから。

「生半可な気持ちでは駄目だよ」と話して、ちゃんとモン吉とスタッフみんなの歩幅を合わせることができて、いっせーのせっ、で行けたのが良かったと思う。

書影『未完声』『未完声』(徳間書店)
ファンキー加藤 著

 かつてファンモンは、事務所のたった1人のエースだったと思う。だから、途中で降りたり、やめてしまうことは許されなかった。常に神経を張り詰めて活動していたのは間違いない。

 だけど、これから再始動するにあたっては、当時ほど神経質になる状況じゃなくなっていた。だからこそ余計に話し合った。再始動して、何か変なすれ違いが起きてまた解散とかなったら、もう目も当てられないぜって。

 再始動イコール、これは死ぬまで何がなんでもやらなきゃいけないことだと俺は思っていた。だからこそ、まずお互いが思っていることをぶつけ合って、わだかまりをすべて一旦リセットしたのが良かったんだと思う。今はすごく良好な関係だよ。