韓国でも速報で伝えられた京都国際の優勝

 初戦から順当に勝ち上がってきた京都国際は、試合を重ねるごとに注目を集めた。その快進撃は韓国でも伝えられ、優勝が決まると韓国のメディアは一斉に「韓国系の学校である京都国際が日本の高校野球大会で初優勝」と速報で伝えた。

 また、決勝前日には、大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が同校の活躍についてコメントを寄せ、さらに優勝を勝ち取ったことに祝福とともに「野球を通じて日韓両国が親しくなることを願う」という談話を出した。ここからも、韓国内で大きな注目を集めていたことがうかがえる。

 京都国際という校名からは、一見、韓国系の学校であることは分からない。韓国語の校歌が流れたことで、前身が在日韓国人向けの民族学校「京都朝鮮中学」(後に「京都韓国学園」に校名変更)であることを知った人も多いのではないだろうか。校歌は民族学校時代からのものと思われるが、同校は2004年に一条校(学校教育法第1条に規定する学校)として新生「京都国際学園」となり再スタート、日本人の生徒の受け入れも始めたのである。

 こうした経緯で、前身は民族学校、校歌は韓国語、現在は日本人の生徒が多く在籍し、野球部員はほぼ日本人生徒という複雑な状況にある京都国際。SNSなどでもさまざまな反応が起こり、学校や校歌がクローズアップされてしまったといえる。