今年の夏も熱戦が繰り広げられた、夏の高校野球。日本の夏の風物詩ともいえる伝統ある大会だが、今年は韓国でも注目度が高かった。優勝した京都国際高校は、前身が在日韓国人向けの民族学校で、試合終了後、選手たちはグラウンドで韓国語の校歌を歌ったのだ。韓国では今年の高校野球の結果が大きく報じられただけでなく、大統領が談話を出し、反日活動家がNHKに抗議する事態にもなった。在日韓国人、在韓日本人は今年の高校野球を、どんな気持ちで見ていたのだろうか。(韓国在住ライター 田中美蘭)
夏の甲子園、決勝戦は関東第一vs京都国際
8月23日、甲子園球場で第106回全国高等学校野球選手権大会の決勝が行われた。東東京代表の関東第一と京都代表の京都国際の対戦カードとなった。両者共に9回裏まで無得点のまま一歩も譲らず、試合はタイブレークによる延長戦へともつれこんだ。そして、10回表に京都国際が2点を取り、対する関東第一はその裏に1点を返すものの反撃及ばず、京都国際が初の優勝に輝いた。
今大会は、高校野球ファンを大いに楽しませてくれた白熱の好ゲームも多く、決勝戦もまさにそれにふさわしいゲーム内容であったが、野球そのものとは関係のない思わぬ方向に関心が向き、波紋が広がっている。