申し込んだ記憶がない
オリンピックチケットが「当選」
「日本オリンピック協会、JOCの三浦と申します。おめでとうございます!お申し込みいただいた東京オリンピック最終日、陸上競技の観戦チケット、当選です!」
「えっ?チケット?申し込んでないわよ」
「いや、当選されましたよ。きっとお子様がお母様の名前を使って申し込み、驚かせようとしたんじゃないでしょうか。今朝から250件近く電話をしていますが、皆さんそう仰って驚かれています」
「息子は広島に住んでいるんで、なかなか私のいる横浜には…」
「あー、皆さん、そう仰いますね。間違いありません。当選ですよ、よかったですね。いやあ、息子さんは親孝行ですね。4枚、申し込まれてますよ」
「嫌だあ、あの子。そんなこと何も言ってなかったわ」
「チケット代は今日の午後3時までに振り込んでもらえますか?息子さんからは申し込み時に4枚分で各5万円、合計で20万円を保証金としてお預かりしてるんですよ。でも、本日の銀行が営業している時間までに、残りの代金を振り込んでいただかないと、チケットの権利がなくなってしまうんですね」