「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は、『すぐできる自力整体』から、秋のはじまりの不調を改善する自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】たまった「水毒」は秋に繰り越しちゃダメ! スッキリ美人をつくる「1つの習慣」

「水毒」は早めにリセットしないと秋がつらい?

秋のはじまり、私たちの体には、夏にためこんだ老廃物をデトックスする自然な流れが備わっています。そうやって次の季節へと体調を整えていくのですね。

しかし今年は残暑が長引き、9月になっても冷房はかけっぱなし、冷えたオフィスや自宅で座りっぱなし。体は冷えて、むくみやだるさ、コリや痛みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

体の流れが悪くなるとき、気をつけたいのは「水毒」です。東洋医学では、水が体にたまりすぎて悪さをすることを「水毒」と呼んでいます。うまく体内の余剰水分を排出できず停滞している状態です。

本来、水毒症状は湿気の多い春から梅雨にかけて出やすいのですが、近年はリモートワークやスマホの普及、悪い姿勢、座りっぱなし、運動不足により、季節にかかわらず水毒症状を訴える方は増えています。

「水毒」は弱っている場所に現れやすい

水毒を放置すると、やがて体の弱い場所に不調が現れやすくなります。長引けば病のリスクも高くなるので、寒い季節が訪れる前に、早めに解決しておきましょう。

わかりやすいのは、眼球のむくみによる視力低下、耳に湿気がたまることでおこるめまい・ふらつき。ほかにも鼻炎、口内炎、歯茎の炎症、気管支喘息、関節炎、腰痛、坐骨神経痛、ひざの痛み、足の裏が痛くなる足底筋膜炎など。

美容トラブルもひきおこします。冷えにより睡眠の質が悪くなるため、代謝力・排泄力は低下。むくみ、たるみ、肌の乾燥、くすみ、便秘、肥満、老化につながります。

秋以降、どんどん気温は低下します。次の方法で早めに解決しておきましょう。

まずは「体温を上げる習慣」を

水毒解消の基本は「体温を上げる習慣」です。血流がよくなり代謝力・排泄力が高まれば、スッキリ美人の完成です。まずは体温計でチェックしてみてください。

気候条件や体質にもよりますが、36.5度を基準に、それより体温が高ければ問題はありません。36.5度より低い場合は、余剰水分が多く、水毒の症状が出やすい状態といえます。

日常から意識したい「体温を上げる習慣」

日常で次の行動も意識してみましょう。

日中はよく歩きましょう。
・床ふきそうじのような屈伸運動ふくらはぎなど下半身の筋肉をしっかり使いましょう。停滞していた水分がせきをきったように流れはじめます。
・シャワーではなく、なるべく湯船にゆっくりつかりましょう
夜は自力整体で体をほぐしましょう。自力整体は関節や筋肉をゆるめ、刺激することによって、いかに体内の水毒を排泄させるかを考えてつくられています。20分くらいが目安です。

次ページで、書籍『すぐできる自力整体』の中から水毒解消に役立つ「足先ほぐし」のワークをご紹介しましょう。足先を効果的に刺激して、血流やリンパの流れを促し、冷えを改善。水分の排泄力も高め、むくみを解消します。

【整体プロが指南】たまった「水毒」は秋に繰り越しちゃダメ! スッキリ美人をつくる「1つの習慣」矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗