反社勢力、右翼、元組長、二号さん、デリヘル拠点として使用している等々……。違法度合いとテナントの汚染度合い、米国のコンプライアンスがどこまでこれを許容できるか?

 そんな驚愕の事実が次から次へと出てくる中、一応入札に参加した。内心、こんな汚染物件シリーズ、果たしてやってよいものかどうか迷いながら。幸か不幸か150億円で一番札で落札。

 こうなるともう危険を冒してでもアセットマネジャーとしての任務を投資家のために全うしなくてはならない。2002年10月末のクロージングまでにしっかりデューデリジェンスをしなくてはならない。

11階建てのはずが13階建て
消防法上の問題も多数の物件

 150億円のうち90億円はオリックスからノンリコースローンで調達し、エクイティの60億円はカーギル:レーサムリサーチ(現・レーサム):ケネディクス:オリックス=4:4:1:1の割合で拠出することが決まった。

 入札に負けたライバルファンドの担当が、「せっかくエンジニアリング・レポートなど、いろいろ準備したのに入札に負けてしまった。このレポート一式買い取ってくれないか?」と打診があり、時間もない中、それらを安く買って一助にした。