「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる夢を行動に変える方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「やればできる」と信じられるノウハウを紹介する。

【自己実現的予言】幸福感が高まるたった1つの言葉【Self-fulfilling prophecy】Photo: Adobe Stock

すべてが思い通りになる

 経済学や社会学の用語で、「自己実現的予言(Self-fulfilling prophecy)」という言葉があります。未来に対して何らかの期待を持つと、その現象が現実になるというものです。心理学で言うピグマリオン効果やプラセボ効果と似ています。

 不動産市場でも、将来的に不動産価格が上がるだろうという期待があると、いますぐ必要がなくても需要が増加しますが、これを「仮需要(Imaginary demand)」と言います。仮需要が生まれると供給よりも需要が増えるので、現実の不動産価格は上昇します。

 このように、人々の予想や期待が現実に影響を及ぼすケースは、容易に見つけることができます。

 ところが不思議なことに、自分に対して肯定的な態度を持とうとする人はあまり多くありません。肯定の力を知りながらも実践しないのはなぜでしょうか。その理由は、肯定の力をよく知らないか、それとも、知っていながら実践できないか、のどちらかでしょう。

『「悟り」はあなたの脳をどのように変えるのか』の著者マーク・ロバート・ウォルドマンとアンドリュー・ニューバーグによれば、「No」という言葉はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進し、聞く者を警戒させ、認知能力を低下させます。一方、「Yes」という言葉はドーパミンを分泌させます。ドーパミンは幸福感を高めるホルモンで、肯定的な態度を強化します。オバマ元大統領を当選に導いた選挙スローガンも、「Yes, We Can」でした。

(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)