「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

「夢」や「目標」が叶いやすくなるたったひとつの習慣Photo: Adobe Stock

言語化力を上げると、夢も叶いやすくなる

 新年に「今年の目標」を立てる人も多いと思います。この連載で解説している「言語化する」という習慣は、実は夢や目標を叶いやすくすることでもあります。

 大リーグで活躍する大谷翔平選手。彼が作成した目標達成表をご存じの人も多いでしょう。大谷選手は、9×9=計81個に細分化したマスに目標を書き込みました。大谷選手が中央のマスに書いた夢は「8球団からのドラフト1位指名」でした。その周囲の8マスに「体づくり/人間性/メンタル/コントロール/キレ/スピード160km/h/変化球/運」と書き込み、さらに、それぞれの項目を中心に置き、その周囲に8個ずつ目標を書き込みました。本書でも言語化は具体化力がキモだ」とお伝えしていますが、この表は、まさに具体化につぐ具体化です。

 たとえば、「メンタル」の項目には「はっきりした目標、目的を持つ/一喜一憂しない/頭は冷静に心は熱く/雰囲気に流されない/仲間を思いやる心/勝利への執念/波をつくらない/ピンチに強い」という具合。野球に詳しい人であれば、今の大谷選手がこれらのメンタルを持ち合わせていることに腹落ちするでしょう。

 さて、大谷選手がこの目標達成表を埋めた時に、何が起きたのでしょう? 

 そう、本書のSTEP1で紹介した脳機能の「RAS(ラス)」が発動したはずです。つまり、書き出した項目に関する情報がどんどん大谷選手のもとに集まってきたほか、書き出した大谷選手自身の意識や行動も大きく変化したはず。「8球団からのドラフト1位指名」の実現に向けて、人生がダイナミックに動き始めたのです。

言葉にすれば道が拓ける

 目標を書き出すだけでも効果絶大ですが、ことあるごとに、書き出したことを口に出すことも大事。なぜなら、口に出すことで、自分の「無意識」へと目標を刷り込むことができるほか、目標に共感してくれた誰かがサポートしてくれたり、必要な人やモノを紹介してくれたりする可能性も高まるからです。

 夢を叶えるためには、夢の正体を明らかにすることが必須です。
大谷選手の例でも、「8球団からのドラフト1位指名」という明確な目標が存在しました。具体化して書き込んだ項目も、すべては「8球団からのドラフト1位指名」を受けるために必要な要素です。逆に言うと、具体化した目標をどんどん達成していくことによって、大目標である「8球団からのドラフト1位指名」が叶うシステムになっているわけです。

 9マスでなく、ノートに箇条書きにしても構いません。あなたに達成したい目標や夢があるなら、まずは書き出しましょう。

 さらに、あなたが夢や目標を人に伝えたりSNSで発信したりすることで、「それについて詳しい人を知っています」「それに関連するアプリがあります」「それに関するセミナーがあります」という具合に、あなたに必要な情報が集まってきやすくなります。驚くほど大きなチャンスが舞い込んでくることも珍しくありません。 

「言葉(=情報)」とは、自分や他人を動かすためのプログラムコードでもあります。「私は売れない営業マンだ」とコードを打ち込む人には、売れない営業マンに必要な情報や環境や未来が届けられます。一方で、「私は月に1000万円を売り上げるスーパー営業マンだ」とコードを打ち込む人には、スーパー営業マンにふさわしい現実が届けられるのです。

 あなたやあなたの人生を作り出しているものは「言葉」にほかなりません。このことを、どうか忘れないでください。

*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。