工藤公康工藤公康 撮影:上野裕二

速球派でも大柄でもなかった工藤公康は、なぜ長きにわたり現役を続けられたのか?現役生活29年という異例のキャリアを支えたのは、高校時代から磨き続けてきた「ある力」だと本人は語る。のちの監督業でも大いに役立ったと言う、その力とは?※本稿は、工藤公康『工藤メモ「変化に気づく、人を動かす」最強の習慣』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

工藤公康が成し遂げた
29年もの現役プロ生活

 29年間のプロ野球生活を振り返り、私が一番思っていることは何か?それは「能力のあるたくさんの選手たちが、自分の才能を生かすことなく若くして辞めていった」ということです。

 プロ野球は10人の選手が新たに入ってくれば、今まで在籍していた10人が出ていかなければならない厳しい世界です。私がプロ野球の世界に入ってから、数え切れないほどの選手たちが、私より先に現役生活に別れを告げて、球界から去っていきました。

 幸いにも私は長く現役を続けることができましたが、最初からすごい才能を持っていたわけではありません。足もそれほど速くなく(持久力はそれなりにありましたが)、投げるボールは130キロ台中盤、持ち球はストレートとカーブだけ。そんな私がなぜプロとして長くプレーできたのか?