人気マンガ家から国会議員へと異色の転身を遂げた赤松健議員。国会議員になって一番驚いたこととは? 国会の裏側での発見と挑戦を明かす。本稿は、赤松 健『マンガでたのしく!国会議員という仕事』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
話の邪魔はマナー違反?
国会で驚いた「ヤジ」の存在
人がしゃべっているときには邪魔しない……。みなさんも、それが社会常識だと思っている人は多いかもしれません。かくいう私も企業での社会人経験はないものの、誰かが話をしているときにそれを邪魔するのは当然マナー違反だと思っていました。
ところが、国会に関してはその「ヤジ」が許されているんですよね。それがたびたび国民のみなさんからも問題として指摘されています。私もはじめて聞いたときはびっくりしました。「何言っているんですかーッ!!」「できてないだろー!」など、初めて参加した臨時国会での所信表明演説は、野党の激しいヤジが国会中に響きわたっていました。
また、それに負けじと、演説の区切りには与党の議員たちが大きく拍手する姿も印象的でした。
いったいなぜこうしたヤジがあるのか?正直、その理由は定かではありません。強いてあげるとしたら、ヤジで国会が活性化するといったところでしょうか。しかし他人を攻めたてるのが苦手な私としては、どちらかと言えば、ヤジよりも応援のほうに力を入れていきたいところです。こういった不思議だなと思う慣習についてもマンガ「国会にっき」では率直に書いていますのでよんでみてくださいね。
国会議員にとって「政党」とは?
赤松健が自民党に入党した理由
さて、議員の政治活動と切っても切り離せない存在が「政党」です。
自由民主党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、参政党など、参議院では現在10個の政党の議員が働いています。一方で、なかには、政党に所属しない「無所属」の議員もいます。
多くの議員が政党に所属する理由は、同じ目的や政策を持った議員同士で連帯することで政策実現を目指すためです。1人では達成が困難な大きな仕事も、集団で取り組むことで達成しやすくなるというのは1企業でもおそらく同じことでしょう。
では、私が自民党の政策に共感したから自民党に入ったのかというと、必ずしもそうではありません。過去に自民党は表現の自由をおびやかしかねない法律を作りかけたこともありましたし、マンガ家時代にそれを止めるために奔走したこともありました。