それなのに、なぜ自民党に入ったのか?理由は単純で、表現規制につながる法案を早期のうちに発見・修正するには、与党である自民党で活動し、内側からいち早く規制の芽を摘むほうが確実だと思ったからです。

 実際、党の中をのぞいてわかったことは、一部にはたしかに表現規制に熱心な議員がいる一方で、自民党全体が規制に賛成しているわけではないということでした。さらに近年は、平将明議員や小野田紀美議員、三谷英弘議員など、マンガやアニメなどを見て育った議員の割合も増えています。

 また最近では以前と逆転し、野党のほうが保守的な価値観に基づいた表現規制を求めるような気配もあります。さらには、そうした表現規制の動きに反対した議員が野党内で辞職に追い込まれる事態も発生し、危機感を覚えています。

 2023年11月の申し入れでは、自民党総裁である岸田総理からも「文化施設の基盤強化やクリエーターの養成は大事だ」とのコメントを頂いています。少なくとも、今の自民党が表現規制に傾く可能性は少ないですし、もしその芽が出たときは私が率先して対処するつもりです。

自民党に入って気づいた
「古そうだけど実は多様性あり」

 みなさんにとって自民党はどんな印象の政党でしょうか?中高生であれば「ずっと与党をやっている古いところ」ぐらいのイメージかもしれませんね。そもそも(現時点では与党である)自民党とは、一体どんな政党なのでしょうか?

 自民党が生まれたのは1955年のこと。細川・羽田連立政権期の1993~1994年と、民主党が政権を握った2009~2012年を除き、長きにわたって与党として政権を担ってきました。会社にたとえるなら、創業から75年余りの超老舗と言えるでしょう。ここでは、私が自民党に入ってから知った「特に印象的だったこと」を3つ紹介しましょう。私も入ってから気づいたことがいろいろありました。

(1)自民党にもいろんな議員がいる

 普段、テレビ等で見る印象から年齢層の高い男性議員が多いと思われがちですが、実際はそうではありません。私もかつてはなんとなくそういうイメージがありましたし、たしかにベテラン議員のなかには高齢の方もいますが、一方でまだ30代の若い議員や女性議員もたくさんいます。女性の国会議員の数は40名ほどです。ちなみに私と同じ年に初当選した最年少の自民党の参議院議員は、当時41歳で看護師かつ弁護士という経歴を持つ友納理緒議員でした。