正解:F社は②、G社は①
F社とG社は、営業利益、営業CFが同じ
F社もG社も、営業利益150億円、営業CF200億円は同じです。
営業利益
=売上高-売上原価と販管費-減価償却費
=1000億円-800億円-50億円
=150億円
営業CF
=売上高-売上原価と販管費
=1000億円-800億円
=200億円
G社は攻めの経営、同業他社買収は巨額の設備投資と同じ
G社は1500億円という巨額のお金を投じて同業他社を買収しました。これは1500億円の設備投資と同等の効果があります。
したがって投資CFは▲1500億円と、巨額のマイナスとなります。
製造業の場合、生産能力を拡大するために、工場を建設して生産設備を購入して従業員を雇うのには、多大な時間とコストがかかります。
それよりも、同業他社を買収してその工場を取り込んだほうが、一気に能力を大幅拡大できるメリットがあります。
G社は、巨額のM&Aによって、勝負に出ました。
成功すれば成長が加速します。ただし失敗すると財務に大きな傷を負うことになります。
F社は守りの経営、設備投資は営業CFの範囲内
対照的なのがF社です。
設備投資は50億円と、営業CF200億円の範囲内に収めています。
そのため、フリーCF150億円が得られています。フリーCFを使って、借金100億円を返済しました。
成長のための攻めの投資をしているわけではなく、財務改善を進める「守りの経営」を行っていることがわかります。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)