中国が狙う工場用ロボットの国産化Photo:Yuichi Yamazaki/gettyimages

 中国には安価な労働力が豊富にあり、そのためかつてはあらゆるものが中国製かと思えたものだ。だが賃金が上昇し、人口が高齢化したことで、中国の工場では産業用ロボットを当たり前のように目にするようになった。同国は今、そうしたロボットも自前で作ろうとしている。

「世界の工場」と呼ばれる中国が産業用ロボットの最大の市場だとしても不思議ではない。国際ロボット連盟(IFR)によると、2022年の世界の産業用ロボット新規導入台数で中国は5割以上を占めた。

 ファクトリーオートメーション(工場自動化、FA)が長期的に増え続けると考えるのには理由がある。人口が高齢化する中で製造業のバリューチェーン向上を目指す中国にとって、FAの普及はその解決策になるとみられる。従業員1人当たりの産業用ロボット普及率で見ると、中国は韓国やドイツ、日本などの製造大国にまだ後れを取っている。