「虎の威を借るマウント」が特に超NGな理由

著名人と知り合いマウント

――マウントによって感じ取られ方がさまざまで難しいですね。飲み会で頻出のマウントは他にありますか?

yuuu 飲み会だと「テレビではお喋りだけど○○さんって普段は寡黙なんだよね」といった著名人と知り合いマウントをよく耳にしますね。大抵の場合、著名人と本人は、映画の主役を演じた俳優と、試写会で一瞬だけ壇上に上がってツーショットを撮ったファンのような限りなく薄い関係性しかありません。そしてそのツーショット写真を見ても、本人はにっこりしているけれど、著名人は真顔です。

勝木 著名人が真顔なのはあるあるですね(笑)。著名人と知り合いマウントって、テレビに映るくらいの有名人から会社の役員まで、権威性の高い存在との関係性を示すことで自身の価値をアピールする「虎の威を借るマウント」の一つですよね。他にも、仕事の過酷さを醸し出しつつ、自民党と関わるほどのプロジェクトに参加していることをアピールする国の仕事に関わっているマウントも虎の威を借るマウントに含まれます。

勝木 ただ、たまに「虎の威を借る」ことが成功につながる場合があります。私の知り合いで、政治家とのツーショット写真をSNSに載せていたら、大企業の案件を受注できて、最終的に某大手企業に事業を売却した起業家もいます。

yuuu たしかに著名人を使ったビジネスもあるので、著名人と知り合いマウントを一概には否定できないですね。こうした例を除いて、僕は著名人と知り合いマウントを取っている人を見ると「じゃあ、お前は何者なの?」って内心思ってしまいます(笑)。

 なので、僕は結構適当に流しています。詳細を聞きすぎてしまうと関係性の希薄さのボロが必ず出てしまうので。僕は「すごいですね! ○○さんと今度どこか行く機会とかあるんですか?」と相手の尊厳を守れるくらいの相づちに留めています。

勝木 話題を変えてしまうのもいいでしょうね。「いつ知り合ったんですか?」って質問して、相手が答えている時間で、次の話題のネタを考えておくんです。