筋肥大(筋肉増加)を目指す場合の休憩時間
筋肥大のためには少なくとも2分間、セット間に筋肉を休ませるべきというのが一般的な考え方(*2)だ。だが実際は、「それほど長い休憩時間は必要ではない」とする新たな分析結果も出てきた。つまり、「休憩時間についての現在のガイドラインには、再考の余地がある」ということになる。
1分半(90秒)の休憩が筋肥大を最大化するという可能性が分析結果として示唆されているが、これは過去の報告コーチング(*3)とも合致する内容だ。
この研究では、「セット間の休憩時間が1分半未満の場合、1セットのトレーニングで得られる筋肥大の総量が減少する」と結論づけている。「2~3分を超える休憩を取った場合でも、そのことで筋肥大が大きく増加するようなことはない」とも結論づけている。
さらなる研究が待たれるところではあるが、今回の分析の結果によって、時間効率と筋肥大とが大きなトレードオフの関係にないことが示されたわけだ。そればかりか、トレーニング時間短縮の有益性さえ示唆されたことで、特に時間的制約のある人々にとっては朗報と言えるだろう。トレーニングの障壁として時間的な制約を挙げる人が多いことを思えば、これは興味深い研究結果と言える。
とは言うものの、筋肉増加のために望ましい休憩時間は個々によってばらつきがあるのも事実だろう。各自のニーズに合わせて、個別に時間設定をするのが重要なのは言うまでもない。一般論としては、「セット間に1分以上の休憩を挟むことが筋肥大の効果を高める」とされているのだ。
「セット間に十分な休憩時間を設けないことで次のセットのパフォーマンスが大きく落ちてしまうようなことがあれば、筋肥大効果も低下してしまうだろう」とマイロ・ウルフ博士は注意を促す。
「次のセットでもしっかりとしたパフォーマンスを発揮できるように、十分な休憩を挟むようにしましょう」とウルフ博士は言う。その目安となるのはレップ数だ。「次のセットで数レップしか落ちないようであれば、休憩が足りている証拠です」と、ウルフ博士(*4)。
トレーニング初心者であれば、せめて2分は休憩を挟みたいところだ。もっと長くても良いかもしれない。今ある研究結果から確実な結論を導くのはまだ困難だが、参考にすべき情報は少なくない。
筋肉増加を目指すには?
1~2分の休憩をセット間に設けるのが、効果的とされている。ただし、個々のニーズやセット中のパフォーマンスによって調整する必要があるだろう。